観葉植物の水やりの頻度は、季節や品種、環境によって大きく異なります。
・季節ごとの水やり頻度
・品種による水やり頻度
・水のやり過ぎ、不足時に植物が出すサイン
を抑えておくとだいたいの目安になりますので知っておくと良いと思います。
季節ごとの水やりの頻度
春から夏(成長期)
春から夏にかけて、観葉植物は成長期を迎えます。
この時期は気温が高く、日照時間も長くなるため、植物の水分の消費が増えます。
基本は土が乾いたらすぐに水やりを行います。
一般的には、1週間に1~2回の水やりが必要ですが、
・鉢の大きさ
・使っている用土
・風通しの良さ
によって乾き方が全く変わってくるので、「週に2回」と決めきるよりは、一度水を上げてみて「この場所だと3日で乾いたな」と観察して目安を自分の中で作っていくのが良いでしょう。
また乾き具合を確認するときは土の表面だけでなく、指を土でほじほじしてみて、内部に湿り気があるか確認することも大事です。
秋から冬(休眠期)
秋から冬にかけて、気温が下がり、観葉植物の成長が緩やかになります。
この時期は水分の必要量が減少するため、水やりの頻度も減らします。
土が完全に乾いてから水を与えるようにします。
2〜3週間に1回程度が目安です。
また「温かい時間」に与えるを心がけると、冬枯れを防げます。
人間に例えるとわかりやすいですが、冬の夜中にさむくてブルブル震えているとき、冷たい水をざばっとかけられたら凍えて10分と持たないでしょう。(下手したら即心臓止まる…。)
植物も同じで冬はただでさえ寒いので、水をかけられたもっと寒くなるのです。
冬の水やりは植物の温度が下がるので、できるだけ温かい時間に与えると枯らしてしまうなどの失敗が少なくなりますよ。
水やりが多いとどうなる?
水のやり過ぎのサインで多いのが、根腐れです。
根腐れは水を吸いきれない状態が続き、土壌が常に湿った状態になり、根が呼吸できなくなり腐ってしまう現象です。
根は植物にとって最も重要な部分なので、根がやられると葉が落ちたり、溶けたり、茎がヘナってきたり、全体的に体が弱っていきます。
また水が多いと、土壌中の病原菌が繁殖しやすくなり、植物が病気にかかりやすくなります。
植物=水が好き は部分的には正しいですが、やり過ぎはよくないということも覚えておきましょう。
「乾いたら水やり」を徹底しておけば大丈夫です。
水やりが少ないとどうなる?
では水やりをしないとどうなるのか?
これはイメージしやすいと思いますが植物が水分不足になり、葉が萎れたり枯れたりします。
単に体を維持できる水分がなくなって枯れ葉が落ちるだけでなく、蒸散を防ぐためにどんどん葉を落としていきます。
植物の成長に必要な栄養分は水と一緒に吸収するために、栄養の吸収ができなくなり生育が遅くなります。
葉がだんだん黄色くなっていく時は、水分不足のサインである場合があります。
また花を咲かす植物の場合水分が不足すると、花芽が形成されにくくなり、花が咲かないことがあります。
品種ごとの水やりの違い
多肉植物やサボテン
これらの植物は乾燥に強く、水やりを少なくする必要があります。
頻度: 春夏は1ヶ月に1~2回、秋冬は1〜2ヶ月に1回程度。
水やりの際は、鉢底から水が流れ出るまでしっかりと与え、その後は完全に乾くまで待ちます。
熱帯性の観葉植物(モンステラ、フィカスなど)
これらの植物は湿度を好み、成長期には比較的多めの水やりが必要です。
頻度: 春夏は週1~2回、秋冬は2週間に1回程度。
土の表面が乾いたらすぐに水やりを行いますが、根が常に湿った状態にならないよう注意します。
シダ類(ビカクシダ、アジアンタムなど)
シダ類は湿度を非常に好みますが、根が水に浸かっていると根腐れを起こしやすいです。
頻度: 春夏は週2~3回、秋冬は1週間に1回程度。
水苔や土が軽く乾いたタイミングで水やりを行い、霧吹きで葉に水分を与えると良いです。
水やりの基本ポイント
土の乾き具合の確認: 水やりのタイミングは、土の表面だけでなく、内部の湿り具合を確認して判断します。表面が乾いていても、内部が湿っていることがあります。
また水やりには常温の水を使います。冷たい水は根を傷める可能性があるため、避けるべきです。
水やりは朝の早い時間や夕方に行うのが良いです。
特に夏場は、日中に水やりをすると、土の中で水が蒸発してしまい、根がダメージを受けることがあります。
ただし冬は早朝は寒すぎるので日が出てからが良いでしょう。
受け皿の水は必ず捨てる
また根腐れや虫の発生を防ぐポイントとして、受け皿の水は必ず捨てましょう。
乾きにくくなったり、土の中の根や肥料がぐちゅぐちゅに腐ってしまうので、病原菌や害虫の温床になります。
「部屋の中をコバエがぷんぷん飛んでる」って状態になったら嫌ですよね。必ず捨てましょう。
エアプランツ、ハンギングプランツの水やりケース
これらの植物は通常の鉢植えとは異なる水やりが必要です。
エアプランツは週に1〜2回、霧吹きで全体に水を与え、月に1回程度は浸水させます。
ハンギングプランツは乾燥しやすいため、頻繁に水やりが必要です。
全体的に言えるのは(多肉やサボテン、サンスベリアなど水の与えすぎが良くない植物を除いて)乾湿をつけるためにとにかく「乾いたらたっぷり」と知っておくことでしょう。